• 発表3
    • 病いと<つながり>の場研究の方向性:刊行予定『病いと<つながり>の場の民族誌』序論

    • 浮ヶ谷幸代(千葉大学他非常勤講師)

    • 要旨
       今回は、病い(障害)をめぐる苦悩の経験を抱える人たちは、なぜ集うのか、 というきわめて基本的な問いから始まった、現在執筆中の『病いと<つながり>の場の 民族誌』の序論にあたる部分の報告である。これまで、社会科学ではその問いに答える ように、主に集団組織に焦点をあてた機能的な研究が数多くなされてきたが、本論では 、そうしたアプローチをいったん相対化し、参集する人たちの現場でいったい何が起き ているかという、なぜというよりは、いかに集うのかという問いに重心をおいた検討を 行う。そのために、タイトルの病い、<つながり>、場という用語の基本的概念につい て、人類学的研究の流れを参照しつつ、本書のテーマにおける民族誌的アプローチのた めの分析枠組みについて報告する。また、3月の井口氏の報告「医療化論における民族 誌的研究の位置」と接続させる試みでもある。

      〈目次〉

      • はじめに、
      • 1.病いをめぐる苦悩の経験、
        • (1)「医療」の付置、
        • (2)病いをめぐる苦悩の経験、
        • (3)語り研究から民族誌的アプローチへ、
      • 2.集団から〈場〉へ、
        • (1)Self-Help Group研究における集団の位置づけ、
        • (2)実践コミュニティの再検討、
      • 3.<つながり>の場研究のアプローチ、
        • 身体化された空間Embodied Spaces、
        • トランスナショナルな空間Transnational Spaces、
        • 戦術空間Tactics Spaces、
      • 4.本書の分析の枠組み