- 発表2
- 「不幸な子どもの生まれない運動」と羊水検査の歴史的受容過程:「障害児」出生抑制政策(1960年代半ば―70年代初頭)興隆の社会構造的要因
- 土屋敦(東京大学大学院博士課程:社会学)
- 要旨
本報告では、特に高度経済成長期に該当する日本社会(特に1960年代半ば以降)におい
て、優生政策が一つの転換点を迎えながら興隆した事実を確認すると共に、その興隆過
程を「胎児」の医療化や乳児死亡率・周産期死亡率の劇的な改善など、妊娠・出生をめ
ぐる一連の医療化過程の中に位置付ける事を目的とする。またその優生政策の興隆過程
を、高度経済成長期を前後する形で生じた、子どもの生み方や衛生管理の作法の変化な
どの文脈中から捉えなおすことを目的とする。また本報告では、1966年以降全国51の地
方自治体主導で行われた「不幸な子どもの生まれない運動」に関する優生政策史の上で
の位置づけと同運動の軌跡の検証、及び同運動が1960年代半ばという時期に興隆したこ
との持つ社会的意味を総括することも目的となる。
- 関連業績
- 土屋敦「日本社会における「胎児をめぐる生命主義」の源流」『ソシオロゴス』No.28、p.96-114、2004年
- 土屋敦「<胎児>を可視化する少子化社会」『死生学研究』2005年秋号、p88-110、2005年