- 発表1
- 本多康生氏(日本学術振興会特別研究員:社会学)
- 「ハンセン病療養所における生活ケア」
- 要旨
近年のハンセン病療養所では、入所者の高齢化に伴う合併症・二次障害の加重によって、日常生活におけるケアの一層の重点化と個別化が必要となってきている。
本報告では、家族・社会関係が高度に阻害され、ハンセン病に起因する何らかの二次障害を抱えた入所者が、自らの尊厳を保持して生を営んで行くための条件として、療養所コミュニティにおける入所者の生活領域の自律化に焦点化する。具体的には、日常の身体援助・家事援助を行っている介護員へのインタビューや参与観察を通じて、身体的に不自由性を有する入所者と介護員との相互行為に照準し、療養所コミュニティの生活ケアについて詳論したい。
生活ケアという援助実践を通じた入所者―介護員間の相互行為を論述することで、療養所コミュニティにおけるケアの立体視が可能となり、入所者の生活を基底的に支えるためのケアの豊饒化に寄与することとなろう。
- 関連業績
- 本多康生、2008「ハンセン病療養所における生活ケア――「センター」における〈生活領域の自律化〉をめぐって――」『相関社会科学』、17号、pp35-55。