• 発表2
    • 鈴木良氏(立教大学コミュニティ福祉学研究科コミュニティ福祉学専攻、日本学術振興会特別研究員DC1)
    • 「知的障害者の生活に関わる決定はどのようになされるか?〜地域移行を行うコロニーにおける調査研究に依拠して」
    • 要旨
       1960年代後半以降、欧米の「福祉先進国」では法制度の改正を通して知的障害者入所施設の「脱施設化」の取り組みが展開したが、同時期の日本では入所施設が増設され、さらには1980年代後半以降になるとグループホームなどの地域の住居も同時に整備されてきた。こうした中で、国の政策として1960年代に設立された「コロニーZ」では設立当初から、一部の施設職員のイニシアティブによって「地域移行」が制度を先取りする形で展開した。
       本報告では、コロニーZによる取り組みにおいて、知的障害者と周囲の人々(職員・世話人・家族)との相互行為を通して、施設入所.地域移行プロセスの決定がどのようになされ、施設.地域での各住居において日課.飲食.外出.仕事.金銭.性をめぐる決定がどのようになされるかを考察したい。この際、主に障害学に依拠しながら、相互行為過程において1)ディスアビリティ(社会的不利益)や「知的インペアメント」(機能的特質)をめぐる経験、2)「<社会制度>に規定された役割関係」や「<日常生活世界>を生きる人として関わる関係」がどのように生成されるか、という視点から分析した。調査方法としては、知的障害者本人や関係者への聞き取りと参与観察を実施した。
    • 関連業績
      • 鈴木良(2005)「知的障害者入所施設Bの地域移行プロセスにおける自己決定に影響を与える環境要因についての一考察」、『社会福祉学』46巻2号。
      • 鈴木良(2006)「知的障害者入所施設A・Bの地域移行に関する親族の態度についての一考察」『社会福祉学』47巻1号。
      • 鈴木良(2008)「コロニーZの施設・地域生活における知的障害者の自己管理の機会についての一考察」『社会福祉学』48巻4号。